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猫と野球と12星座に愛を注ぐAmi-Gonのブログです。 主に12星座(+他の星座)の"暗め"の物語を書いたりしてます。
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現実逃避で鬱系書きたくなって書いた。後悔ならしてる。反省もしてる。
CPではないかもしれないけど、鬱系の獅蟹が書きたくなった。
最近、私は蟹をどうしたいのか、わからなくなってきた。
キスシーンって、書くの難しいけど、書いてると楽しくなりますね。
絵で見るのは少しアレだけど、小説で読むのはダイジョブです。
獅子が病んでるように見えて、蟹のほうも病んでる。





・+・+・+・+・+・






ぐるぐると巻かれた包帯と、不意に嗅覚に飛びついてくるような血臭に、顔を歪めた。
細い腕が、足が、首が、白い布に覆われてて見えない状態になっていた。

何故、お前は今そんな状態でここにいるんだ。

そう呟いても、「大したことないです」と逃れることは、今までの行いでも十分わかってる。
だから、今回はやり方を変えようと思った。





細い腕を掴む。親指と中指が触れ合ってしまうほどに細い腕。
掴まれた瞬間に、目の前の女・・・蟹は、そのミルク色の目を見開いた。
今から俺に何を言われるのかが、わかっているからだろう。



「なんで、何も言わない?」



そういえば、逃げるかのように蟹は目を逸らし、すぐに作り笑いをする。



「なんでって・・・、別に、言うほどのことじゃないでしょう・・・。」



違う。言うほどのことじゃないなんて、違う。
なんで、なんでそんなに痛そうにしてるのに、俺に何も言わないのか。
どうせまた、"アイツ"なんだろう?"アイツ"がお前を痛めつけるんだろう?
ならどうして、俺に言わない?



「ヘルクレスか」

「・・・っ」

「なんでだ。なんで俺に言わない?俺もお前と同じだからか?同じ立場だからなのか?」



あの男は、かつて英雄としてこの世を生きてきた男だった。
だが、とある過ちを犯してしまい、その後、徐々に堕落していった。
『俺や蟹を見ると、あの頃を思い出してしまう』と、ヘルクレスが狂いながらも言っていたのを思い出す。

でも。蟹は表情を暗くして、ふるふると首を横に降った。



「本当に大したことじゃないんです。
 ・・・それに、獅子さんに手を負わせてしまっては、迷惑になるのも、当たり前ですから。」

「・・・迷惑とか、そういうのじゃないだろ・・・。お前、あいつは・・・っ―――」

「いいんです。」



「もう、慣れましたから」と、蟹は言う。切なそうな声で。
慣れてどうする?お前の特になるのか?ならないだろ・・・!?
握りしめる手が、一層強くなって、蟹は痛みに声を上げる。



「いっ・・!」



ギリギリと、締め付けるような痛み。蟹の目に、涙が浮かぶのがわかった。
「痛い、痛いです」と、弱々しい訴えが聞こえてくる。
でも、耳の奥に響きわたることはなかった。



「ぃ、たい・・、痛い、離して・・・ッ」

「なんだそれ」

「ししさ、―――」

「そんなの、お前が辛いだけだろ・・・?」



でも、蟹は痛みに堪えながら、また笑う。
「辛くない」と、訴えるかのように。
そんなはずがないといえたら、どれだけ良かったのだろうか。

不意に、腕に巻き付けられていた包帯が、はらりと取れた。

それが、殴られ痕だったら、もっと堂々とした態度で、"アイツ"を殴りにいけたのに。

白い肌と共に曝け出されたのは、痛々しいほどに深い、
"歯型"だった。



「歯型・・・ッ!?」

「っ・・・!」



よく見ると、傷は何箇所もあり、その中には、"引っ掻き痕"や"抓られた痕"すらもあった。
包帯は腕だけでなく、足にも首にも巻かれている。
つまりは、その部分にも同じような傷があるということだった。
突然感じた血臭は、いくつかのひっかかれた後から流れ出た、血の臭いだったのだろう。



「蟹、お前は・・・!!」

「・・・・・本当に、大丈夫、ですから・・・。」

「大丈夫じゃねえ!あの野郎、よくも蟹を・・・っ!!」

「違います」



何が違うんだ。
そういう前に、蟹は俺の目を見つめて、こういった。



「これは、"僕も望んだこと"ですから。」



望んだ?
何を?
傷つけられることを?

そんな馬鹿な話があるもんか。

なのに、それ以上何もいう事が出来なくて、歯痒くなった。
悲しいくらいに、弱々しい蟹の笑みに、目を向けられなくなりそうだった。
「心配しないで」と、背伸びをして、頭を撫でられる。
心配させているのは、お前だ。
そう言ってやりたかったのに。


肩を掴んで、噛みつくように、喰らいつくように、口付ける。
抵抗もしない、嫌がろうともしない。否定も、されない。

こんな風に、傷つけられたのだろうか。
こんな風に、痛めつけられたのだろうか。

笑い続ける蟹が憎らしい。
でも、それ以上に、

なにも出来ない自分が憎らしかった。





*****





『蟹はいつも獅子といるわよね~。憎らしいわ。』

『どうして?僕が男だから?ねぇ、どうして?』

『君さえ消えてくれれば、獅子はもう僕のモノ同然なのに・・・。』



耳障りな声が、酷く響いて聞こえた。
あの時、ヘルクレスが僕に言った言葉の数々が、頭の中によぎった。

獅子さんを好むヘルクレスにとって、僕の存在はかなり憎らしかったのだろう。
どうして僕なのだろうか・・・。
僕らは想い合ってるわけでも、ましてや繋がってるわけでもないのに。



『可愛いお顔ね。傷つけたいわぁ~。』

『でも、駄目ねェ・・・、それじゃ獅子が貴方を余計に心配しちゃうわ~。』

『じゃぁ、顔意外にしてあげましょ。ふふ、僕ってば、なんて優しいんでしょ~♪』



痛い、痛いよ。苦しい。
僕が何をしたの。僕、君にそこまでされるほどのことをしたの?
もう嫌だ。誰か助けて。



『この顔も、この腕も、この足も、全部全部、獅子が触ったんでしょ?』

『え?触ってないですって?そんなはずが無いじゃない。』

『だって貴方は、獅子の"特別"ですもの。』



違う。獅子さんはそんなことしない。
優しくて、暖かくて、君が思うような人なんかじゃない。
彼はいつでも、僕に優しくしてくれる。
君の思う獅子さんと、本当の獅子さんは違う。



『ねぇ、この口もそうなんでしょ?キスとかしたことある?』

『羨ましいわ~・・・。君とキスなんて、虫唾が走るけど・・・・。』

『でも、仕方ないわね。獅子と間接キスができるんだもの~!』



見ないで。触らないで。
そんな目で僕を見ないで。そんな手で僕に触らないで。
僕は君なんか嫌いだ。



『ねぇ。獅子に頼っちゃ駄目よ?その気になれば、僕は獅子だって殺せちゃうの。』

『君の大好きな獅子を傷つけたくなかったら、一人きりで抱え込みなさい。』

『僕は、殺したいほどに愛してるの。獅子のことをね。』



僕だって、僕だって・・・。



『キス以上の事、君達がまだしてるとは思えないけど・・・・・。』

『獅子とそういう事してみなさい。・・・僕が同じことを君にしてあげるから・・・。』

『獅子は僕だけの物で良いの。君には渡さないわ。1ミリたりとも・・・ね。』



あぁ、どうして・・・。



『可愛がってあげるわ。・・・ね?小さな蟹ちゃん。』



どうして、僕なの。





頭の中をよぎる思考は、徐々に混乱していった。
忘れたくても、忘れさせないとでも言うような体の傷に、顔を歪める。
忘れることは、許されない。



『なんで、何も言わない?』



「貴方を、愛しているからですよ。」



貴方を愛しているからでこそ、
僕はこれからも、苦しんでいかなくてはいけない。





赤い鎖
(貴方を好きになったことに、後悔はしていません)




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